70年代思い出の名曲

ロック・ポップス・歌謡曲、そしてフォークソング・・・70年代こそ音楽の黄金時代。
ジャンルを問わず懐かしい名曲や名盤とあの頃の思い出を語ります。
「赤い花白い花」 赤い鳥 1970年
赤い鳥と言えば「竹田の子守唄」というイメージがまず自分の中にあってその次が「翼をください」、3番目に出てくるのが「赤い花白い花」です。 「竹田の子守唄」は美しいメロディーの裏に重たい背景があると知ってからはなんとなく身構えてしまうようなところがあり、「翼をください」もいいけれど僕の好きな山本潤子のソロのイメージが強く、改めていいなと思ったのが今回の「赤い花白い花」です。

赤い鳥には山本潤子と平山泰代というタイプの違うボーカリストがいて、ふたりの絶妙なハーモニーを楽しめるのが「赤い花白い花」です。 この短い曲は元々彼らのオリジナルではなくて、たまたまメンバーが人づてに教えてもらった曲を気に入って、作者を探し出してレコードになったんだそうで、なんだかドラマチックですね。

それにしても叙情的という言葉がぴったりなこの曲、静かな世界になんだか癒されます。 作詞作曲の中林三恵さんという方の書いた詩を見ると、少女の想像の世界に自然とメロディーが乗ったような感じですね。 メインボーカルの山本さんの歌に平山さんのコーラスが重なる後半は、まさに絶品です。

ふたりの女性ボーカリストはそれぞれ他のメンバーと社内結婚?をしてポップなハイ・ファイ・セットとフォークな紙ふうせんへと分かれてゆきます。 アマチュアだった赤い鳥やチューリップ、オフコースがデビュー前にヤマハのライト・ミュージック・コンテストで競っていたことを考えると、60年代の終わりから70年代の初めというのは、その後の日本の音楽界にとって大事な時代だったんだなと思います。
 

赤い鳥
赤い鳥 The Red Birds
コンプリート・コレクション

ハイ・ファイ・セットと紙ふうせん、対照的なユニットがここから生まれました。 「竹田の子守唄」や「翼をください」など、日本のフォーク・ポップス界に大きな足跡を残した偉大なグループでしたね。

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「赤い花白い花」の歌詞へ
YouTube back (美しいハーモニーと儚いメロディーに癒されます。)
「70年代思い出の名曲」でおすすめしたアルバム Vol.5
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「よこはま・たそがれ」 五木ひろし 1971年
普段すすんで演歌を聴くことはないんですが、これからの寒い季節ってなんだか日本の歌が恋しくなったりします。 たまにテレビで見る演歌歌手たちの歌の上手さには時々ゾクッとするようなことがあって、じゃあ誰の曲にしようかと思ったら五木ひろしの「よこはま・たそがれ」が浮かんできました。

愛嬌のある細い眼と握りコブシがトレードマークの五木ひろしが歌った「よこはま・たそがれ」は、1971年の日本レコード大賞歌唱賞を受賞した名曲です。 低音で始まる導入部から高音のサビの部分まで、なるほど歌唱賞を取るだけのことはあるなと納得の実力で、元々歌は上手いわけですからどんな曲に出逢うかで歌手の運命は決まるのかもしれません。

山口洋子の手になる歌詞には"ホテルの小部屋""くちづけ 残り香 煙草の煙"と、大人の情事を連想させる言葉が最初から連発で、この歌がリリースされた頃中学生だった僕には刺激が強すぎたのか、特に"ホテルの小部屋"というフレーズは強烈に印象に残っています。 まだ見ぬ世界に憧れや興味を持つのは、まあ男子として当然のことでしょう。

ただこの人、コテコテの演歌歌手というイメージではなくて、ギターの弾き語りもやるしどこか人の良さも感じられて、ちょっとポップなイメージが僕にはあるんです。 坂本冬美も以前忌野清志郎や細野晴臣と共にユニットを結成して意外な驚きを与えましたが、実力がベースにあるからこそ生まれた企画ですよね。

でもイメージこそが演歌の命、あえて本道をはずさずファンの期待を裏切らないようにしている部分もあるかもしれませんね。 あくまでも勝手な想像ですが。 若い頃は見向きもしなかったはずの演歌がなぜか心の中に残っているのは、やっぱり日本人の心に染み込む独特の魅力があるからだと思います。


五木ひろし
五木ひろし全曲集 スーパーヒットコレクション
安定感や安心感というのがこの人の持ち味かもしれません。 コテコテなだけではない、親しみやすさを持った演歌界のスーパースター、五木ひろしの全曲集です。

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「よこはま・たそがれ」の歌詞へ
YouTube back (白い衣装が決まっています。しかしいい曲ですねえ。)
「70年代思い出の名曲」でおすすめしたアルバム Vol.5
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「スウィート・スウィート・サレンダー」 ベック・ボガート&アピス 1973年
大編成のビッグバンド・ジャズもウキウキして楽しいものだけど、ギター・ベース・ドラムスの最小編成でやるロックには、無駄なものを削ぎ落としつつ魂を揺さぶるような激しさもあり、昔から心惹かれるものがあります。 60年代後半のクリームやジミ・ヘンドリックス・エクスペリエンスなどがそうなんですが、このあたりは微妙に僕と世代がズレていて、ロックに夢中になった10代後半に出逢ったのがジェフ・ベック率いるベック・ボガート&アピスです。

彼らはハード・ロックが最も栄えた70年代前半に現れてあっという間に消えてしまいましたが、もともと天才ジェフ・ベックが自分のやりたいことをやるために結成したバンドだったようで、スタジオ・アルバムと日本でのライブ・アルバム、たった2枚のアルバムを残しただけでさっさと解散してしまいます。 だけど初めて聴いたときは「迷信」や「レディー」のあまりのカッコ良さにのけぞってしまいました。

特に「ライブ・イン・ジャパン」ではジェフ・ベックに見初められた元カクタスの腕利きリズム隊を従え、ハードに弾きまくるギターのかっこいいこと。 ただ全編ハードに走りまくるかといえばそうではなく、中には「スウィート・スウィート・サレンダー」や「アイム・ソー・プラウド」のような甘いナンバーもあって、特に「スウィート・スウィート・サレンダー」は僕のお気に入りです。

このバンドは唯一ボーカルが弱いなんていう意見もあるようですがそんなものは二の次三の次、美しいメロディーに乗ったボーカルもコーラスも充分聴くに堪えるどころかああ、この曲を演奏する彼らを生で見たかったと今でも思います。 ライブでこそ味わえる熱いうねりの中にほっと一息つける瞬間があって、そこに変幻自在のギターが絡んでくれば至福のひと時が・・・。

BBA解散後のジェフ・ベックはボーカルなしのインストゥルメンタル路線で新境地を開拓しますが、本当はジェフ・ベック・グループの頃みたいにロッド・スチュワートのような優れたボーカリストと一緒にバンドをやるのが一番楽しかったんじゃないかと思ったりします。 


ベック・ボガート&アピス
Beck Bogert & Appice Live
ディープ・パープルの「ライブ・イン・ジャパン」同様、こういうライブが日本で行われてなおかつ名盤として評価されているのは、日本人として誇らしい気持ちになりますね。。

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YouTube back(ハリウッドでのライブ。雰囲気だけでもお楽しみください。)
「70年代思い出の名曲」でおすすめしたアルバム Vol.5

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「色づく街」 南沙織 1973年
若い頃は真夏の暑さに街が白っぽく見える雰囲気が好きだったりしましたが、最近は汗っかきでめっきり暑さに弱くなってしまいました。 もともと寒さには弱いので、好きな季節が春と秋に限定されてきたのは不便なんだかメリハリが効いていいんだか。 僕の住む関西地方もそろそろ紅葉の季節ですが、今回は色づく秋の街を背景に終わった恋を歌う南沙織です。

「色づく街」は別れをきっかけに、少女から大人の女性へと変わってゆく微妙な年頃を描いた曲で、筒美京平のメロディーをちょっと大人っぽく感じる南沙織が歌っています。 この曲を歌っていた頃の彼女は19才で、ちょうど歌の内容と年齢がうまくかみ合っていたいたのかもしれません。 「17才」でデビューしてから2年、いい感じで大人の雰囲気が身に付いてきてたんでしょうか。

しかしあらためて聴いてみると南沙織って歌が上手いんですね。 はずむようなヴィブラートが爽やかな彼女のイメージにピッタリで、艶やかな長い髪と大きな瞳をより引き立てているように思います。 正直言うと当時は「17才」のイメージだけで彼女を捉えていて、マイナーなメロディーの曲も歌いこなす歌手としての実力に気が付いていませんでした。

篠山紀信と結婚して子供が3人もいるというのはいまだに信じがたい思いですが、篠山さんはファインダー越しに彼女に魅せられたのか、南さんはカリスマ写真家の持つ独特の雰囲気に魅せられたのか、分野は違っても才能が才能を呼んで惹かれあうというのはなんだか分かる気がします。


南沙織
The Best Cynthia-ly
デビューから78年の引退までに発表した曲からセレクトしたベスト。 "シンシア"という愛称が本当に似合う正統派清純アイドルでした。 「早春の港」「17才」「色づく街」など歌唱力も素晴らしい。

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「色づく街」の歌詞へ
YouTube back (紅白歌合戦出場。漆黒の髪とミニが可愛い南沙織です。)
「70年代思い出の名曲」でおすすめしたアルバム Vol.5
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「スティームロック・フィーバー」 スコーピオンズ 1977年
「暴虐の蠍団」という過激なタイトルがついたスコーピオンズのアルバムの1曲目、「スティームロック・フィーバー」は、ルドルフ・シェンカーの刻む3連のリズム・ギターがかっこいい、まさに彼ららしいナンバーです。 ルドルフのカッティングにクラウス・マイネの硬質なボーカルが乗って、マイナーな曲調から一転してすっきりするサビのメロディーへ、これぞスコーピオンズのハードロックです。

聴きようによってはオドロオドロしいルドルフのリズム・ギターは、男らしくダウン・ピッキングでパワフルに刻んでいます。 あのスピードで延々やろうとすると、軟弱なシロウトの場合腕ごと攣ってしまいそうですがそこはプロ、バンド結成当初からのメンバーでもある彼のギターはスコーピオンズの核となっています。

"仙人"ウリ・ロートのリード・ギターも以前書いた「スピーディーズ・カミング」では強烈な個性を放っていますが、この曲ではそれほど目立ちません。 彼がエレクトリック・サン時代に発表した「ファイヤー・ウィンド」を買ってはみたもののあまりピンとこなくて、上手いのは分かりますが僕が好きなのはやっぱり分かりやすいルドルフのギターです。

美しいメロディーのバラードも人気がありますが、僕はどちらかと言うと、いやハッキリとハードなスコーピオンズのファンで、84年の「ロック・ユー・ライク・ア・ハリケーン」あたりが個人的にはピークでした。 この曲に比べると「スティームロック・フィーバー」はちょっとマニアックかもしれませんが、好き嫌いの分かれそうなスコーピオンズ、英米のロックバンドを向こうに回してびくともしないオリジナリティーを持っているなと思います。


暴虐の蠍団
Taken By Force
前作「ヴァージン・キラー」と同じくジャケットにクレームが付きました。 墓場で撃ち合いはマズイかも。 ルドルフ・シェンカーとウリ・ロートのツイン・ギターが楽しめる最後のスタジオ・アルバムです。

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スティームロック・フィーバー(Steamrock Fever)の歌詞へ (cdUniverse ※英語のサイトです)
YouTube back(この曲が気に入ったらスコーピオンズのファンになれます。)
「70年代思い出の名曲」でおすすめしたアルバム Vol.5

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「心の旅」 チューリップ 1973年
ふとした時に聴きたくなる曲というのがあって、僕にとってチューリップの「心の旅」もそんな曲のひとつです。 夏の名残もほぼ消え去って、朝晩涼しいというよりも寒く感じる時期なんかによく頭に浮かんできますね。 この曲は高校に入学した年にヒットして、今でも高校生活の何気ないひとコマと共に思い出すことがあります。

いきなり印象的なサビの部分から始まるスタイルは次のシングル「夏色のおもいで」にも受け継がれましたが、メンバー全員で歌うオープニングから甘い声の姫野さんのソロパートへ移るところも新鮮でした。 リーダーの財津さんをあえてリードボーカルに据えなかったのは正解だったんでしょうね。

切ない思いを振り切るようなサビのメロディーと、姫野さんの歌う静かなメロディー。 別れと旅立ちをテーマにした曲の内容が、福岡から上京してプロデビューした当時の彼らの思いと重なるところがあるんだと思います。 夢や希望、別れや挫折はいつもゴッチャになって青春の中にありますよね。 そんな多感な時期にあのメロディーを耳にしたら、もう忘れられません。

チューリップの名を世に広めた大ヒット曲であまりにベタな選曲かとも思えますが、やっぱり素直にいいものはいいなあと思える名曲のひとつでもあり、こういう感覚はフォークソングを久しぶりに聴く時にもよくあります。 カラオケでひとりで歌うのは気恥ずかしいけど、高校時代の同級生が集まったら確実に全員大声で歌う曲なのは間違いありません。
 

チューリップ
The Best Of Tulip
「心の旅」はもちろん、地元福岡のファンにはうれしい「博多っ子純情」も収録のベスト。 やたらとベストアルバムが発売されているのは、それだけ名曲が多い証拠と前向きに考えたいと思います。

amazon music チューリップ
「心の旅」の歌詞へ
YouTube back (やっぱり聴くたびに心に染みる名曲です。しかしみんな若いですね。)
「70年代思い出の名曲」でおすすめしたアルバム Vol.5

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